東京高等裁判所 昭和36年(う)716号 判決
被告人 末永信人
〔抄 録〕
所論は、原審が八王子医療刑務所内の特別法廷で公判を開いたのは、形式的には公開といえても、実質的には公開といえないから、憲法第八十二条に違反するというのであるが、被告人がハンゼン氏病患者であり、伝染の危険のあることは八王子医療刑務所医官藤原春雄の昭和三十五年十月十七日付診断書により明らかであり、その故に、最高裁判所は裁判所法第六十九条第二項に従い、最高裁総一第七四号(訟ろ―一)(昭和三十五年十一月十一日付)により東京地方裁判所をして本件につき八王子医療刑務所において法廷を開かせたのであり、東京地方裁判所は開廷の数日前同裁判所の掲示場及び八王子医療刑務所の正門に被告人名、事件名、開廷年月日時及び開廷場所を告示し傍聴の自由を認めて開廷しているのであるから、形式的にも、実質的にも公判は公開されたものといわなければならず、憲法第八十二条に違反するものではない。所論もまた理由がない。
(滝沢 鈴木 渡辺辰)
註 本件は量刑不当で破棄